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海亀のスープ

「海亀のスープ」というゲームをしたことがある。

「男が海沿いのレストランで海亀のスープを注文した。運ばれてきたスープを一口飲んだ男は、それ以上スープを飲むことなく店を出て行ってしまった。そしてその晩、その男は自殺してしまった。どうして男は自殺してしまったのだろうか?」
この問題は、解答者が出題者に質問を繰り返すことにより解いていくというものなのだが、出題者は質問に対し「はい」「いいえ」「関係ありません」の三種類の答えだけしかしてはいけない。質問と答えを繰り返すことによって、徐々に答えを推理して絞っていくというもの。

とても面白いゲームだった。

穂村弘さんの有名な歌

卵産む海亀の背に飛び乗って手榴弾のピン抜けば朝焼け  穂村弘
を読むときにいつも感じるのだが、海亀って大きくて強いんだろうけど、のそのそ歩くイメージがする。しかも背が高い動物ではなく地面を這って歩くもの。「飛び乗って手榴弾のピン抜」くというと何かかっこいいというか勇ましいというかスピード感のある動作のように思える。で、この二つのイメージが重なると、「いきがって頑張ってるけれども頓馬なことをやってる奴」という感じがしてしまう。(ところで手元に本がなかったのでこの歌をWebで検索したんだけど、最初のところが「卵産む」となっているものと「卵生む」となっているものとが半々くらいの比率で引っかかってきた。ちゃんとチェックして載せて欲しいなこういうものは。後で本を調べたら「卵産む」が正解。)

「不思議の国のアリス」に出てくる<まがい海亀>(mock turtle)は、<まがいタートルスープ>(mock turtle soup)《子牛の頭などを用いたタートルスープに似せたスープ》の材料になるものという意味で作者が創造したらしい。

つまり、もともと海亀のスープ(turtle soup)というものがあり、それのまがいもの(mock turtle soup)が作られて食されていたという事実があった。( )で意味をくくって書くとmock (turtle soup)なのだが、ルイス・キャロルは、(mock turtle) soup <= 「にせ海亀」のスープ>のように組み合わせ、英語の言葉遊びで、現実には存在しないmock turtle (にせ海亀)なるものを発明したのだ。日本語の場合、「まがい海亀のスープ」のように「の」を間に入れると、ルイス・キャロルが意図したような意味に取るのが普通だろう。もともとの意味を表わしたければ「海亀スープのまがいもの」とでも言えば誤解がなくなる。

キッチンに立つたびきみを思い出す 穂村弘のファンだったきみ (新井蜜)

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